住人

ヒトはいつ死ぬかわからないから、今を必死に生きる。

 

希望の住人のフリをして俺は、自分が絶望の世界の住人だと思うことがある。

「結局生きることは死ぬことだ」と思うたび、じゃあ何をしても死ぬんじゃないかと、諦めに似た感情が俺を覆う。


いつかの夏、空に浮かぶ星のあかり達を見た。家からじゃあ決して見れないような星々の輝き。手を伸ばせば握れそうな満天の星空を呼吸すら忘れるほどに見つめた。

そのうちにその明かりの見え方が変わっていった。

黒い天井。地球はすっぽりと真っ黒のゴミ袋に包まれている。そこに穴が開いていて、その穴の向こうは光の世界で、俺はその穴から洩れた光を見て羨んでいる。

夜の住宅街、家の明かりと笑い声が外へ洩れていて、そこに楽しげな家庭を想像する。そんな風に穴の向こうを羨ましく思った。


でも、「結局生きることは死ぬことだ」「だからこそやりたいことをして生きるんだ」と思う俺も居て。


その俺は、そう思っている俺は、自身が月のように輝いていて、また、輝けるのかもしれない。

そして、そう思えている俺は、空を、あの満天の星空も、黒い天井に開いた穴だと思わないのだろう。

だけど、月は自分だけじゃ輝けない。太陽の光を受けてはじめて輝ける。もしも太陽の光が無くなれば月は輝けない。

太陽は唯一無二で、崇高で孤独な存在。孤独に弱く、孤独になれない俺は太陽にはなれない。太陽の明かりが無いときっと闇に溶けてしまう。

 

俺にとっての太陽ってなんだっけな。

 

ヒトか。動物か。自然か。仲間か。機械か。食べ物か。飾りか。音楽か。君か。あなたか。


最近わかんねぇや。


ただ電球の明かりに照らされ、かろうじて光ることができている。 

 

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